橈骨動脈は閉塞しやすい?〇〇があれば、アレンテストは信用できない!
本日、アレンテストは陽性(正常)であったにもかかわらず、しかもAラインが血管内に留置できていることをエコーで確認できたにもかかわらず、逆血がない、、拍動がないという症例を経験しました。
おかしいなと思っていろいろ論文を調べてみると、
First, do no harm: bilateral radial artery occlusion in a COVID-19 patient
J Clin Monit Comput . 2021 May;35(3):661-662. doi: 10.1007/s10877-020-00555-2. Epub 2020 Jul 6.
要旨
目的:本症例報告の目的は、COVID-19に関連するあまり知られていない血栓性合併症、すなわち両側橈骨動脈血栓症と、それに伴う(長期的な)影響の可能性について注意を喚起することである。
症例:肥満、喫煙、糖尿病の既往歴はあるものの、動脈硬化性合併症の報告はない49歳の男性患者が、当院のCOVID-19集中治療室(ICU)に入院した。患者は重度の低酸素血症を呈して入院し、CT検査で多発性肺塞栓症が確認された。ICUでの治療には、人工呼吸管理および治療的抗凝固療法が含まれた。侵襲的血圧測定や採血のために新たな橈骨動脈カテーテルを留置する準備を行っていた際、両側の橈骨動脈が拍動しておらず、閉塞していることが判明した。
(a) 超音波検査では、橈骨動脈および尺骨動脈の典型的な解剖学的局在が確認されたが、ドプラ法による血流シグナルは尺骨動脈からのみ得られた。
(b) 手への側副血行路による血流供給を調べるため、示指にパルスオキシメータを装着した。その後、手首の尺骨動脈を圧迫したところ、直ちに指のパルスオキシメータによる灌流シグナルが消失した。この変化は、尺骨動脈の圧迫を解除すると元に戻った。
(c) パルスオキシメータでは検出できない側副血行路による灌流を調べるため、近赤外分光法(NIRS)を用いて母指球筋の局所酸素飽和度(rSO2)を測定した。上記の所見を裏付けるように、尺骨動脈を圧迫すると、母指球のrSO2が尺骨動脈の血流に依存していることが示された。
動脈硬化の既往がなく、治療的抗凝固療法を受けていた比較的若年の患者において、このような両側橈骨動脈閉塞が生じたことは予期せぬ事態であった。
結論:COVID-19患者は動脈閉塞のリスクが高いため、橈骨動脈や尺骨動脈への手技(カテーテル留置など)を行う際には、手への側副血行路による灌流が十分かどうかを綿密に確認し、手の虚血による有害事象を回避することが推奨される。

今回の症例で不思議なのは、アレンテストは陽性(正常)であったこと、脈は触れたこと、動脈内には確実に入っていることを確認していたことという条件であるにも関わらず、逆血はなく、Aラインの波形も確認できませんでした。
興味深いのは、遠位橈骨動脈は逆流しており、前腕の橈骨動脈には血栓らしきものがありました(ヘパリン使用中)。気を付けなければいけないのは、何らかの理由があって尺側動脈が閉塞するとあっという間に手が壊死する可能性があることです。アレンテストや陽性だから、脈が触れたからというのは、橈骨動脈開存の証拠にはならないということを学びました。
今後、何らかの学会で報告したいと思います。
さあ、出直し看護塾の皆さん、ぜひ論文、症例報告も読んでみましょう。英語は、翻訳ソフトに任せて要約だけでも読んでみると臨床力が上がると思います!
ともに頑張ろう!



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