急性出血でヘモグロビンが下がらないのはなぜ?

Q.明らかに出血なのに採血すると、Hbがたいして下がっていませんでした、どうしてですか?
A.出血は、赤血球、白血球、血漿、血小板その他血液のすべてを失うので濃度が変わらないからです。

例えば、100%のオレンジジュース、半分飲んでもジュースの濃度は100%ですよね?でも、量は減っている。急性出血は全く同じことが起きています。

診療の補助の強化書 204ページ

よって、急性出血では、Hbが下がっていないことがあります。

 

▶ Step Up!

Q.下がっていることもあるのですか?
A.あります。

急性出血と言えどもある程度時間がかかって出血した場合(消化管出血など)は、循環血液量を増やし、循環動態を支えるために組織間液から水が血管内に移動してきます。すると、血液は当然薄まりますのでHbは低下します。100%のオレンジジュースを半分飲んで、水で薄めた場合、味は薄まりますよね、まったく同じ理屈です。あるいは、輸液を行った場合も薄まります。つまり、Hbは低下していればとりあえず貧血、Hbが低下していなくても貧血がないとは言えない、結局Hbだけで評価すると、間違えますよ、ということですね。さらに厄介なのは、消化管出血や腹腔内出血、胸腔内出血、骨盤内出血などは出血しているかどうかの判断が難しい、ということですね。頻脈にならない出血も存在しますが、血圧低下があれば当然ですが、血圧が下がっていなかったとしても頻脈や特に重要な所見は末梢冷感です。顔色が悪く、末梢が冷たい場合は積極的に出血を疑いましょう!

抗凝固薬や抗血小板薬の内服の有無まで確認できれば、シゴデキナース確定ですね!

 

▶ まとめ

・出血している場合は、Hbが基準値内でも出血がないとは言えない

・Hbは、体液の移動や輸液によって大きく変動

・血圧が下がっていなかったとしても、頻脈、顔色不良、末梢冷感があれば積極的に出血を疑う

 

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