痙攣しない「てんかん」もあるんですか?

Q. 意識障害がある高齢患者さんで、けいれんはありませんでした。しかし「てんかんだろう」と抗てんかん薬が開始されました。けいれんがなくても、てんかんはあるのでしょうか?

A. あります。**非けいれん性てんかん重積(NCSE:Non-Convulsive Status Epilepticus)**かもしれません。

 

「てんかん=けいれん」というイメージがありますが、実際にはけいれんを伴わないてんかんも存在します。

まず、てんかん発作は大きく2つに分類されます。

① 部分発作(焦点発作)

  • 大脳の一部から異常放電が始まる
  • 単純部分発作:意識障害なし
  • 複雑部分発作:意識障害あり
  • 全身発作へ移行することもある(二次性全般化)

② 全般発作

  • 大脳の両側で同時に異常放電が起こる
  • 多くは意識障害を伴う

また、5分以上発作が持続する場合や、意識が回復しないまま発作を繰り返す状態てんかん重積状態と呼びます。

一方、「けいれん=てんかん」ではありません。

例えば、

  • 心停止
  • 心室細動
  • 失神

などでも、一時的にけいれん様運動がみられることがあります。そのため、けいれん患者では、まず循環動態の評価が最優先です。

では、「てんかんには必ずけいれんがあるのか?」というと、答えはNoです。

代表的なものが**非けいれん性てんかん重積(NCSE)**です。

NCSEでは、けいれんは認めませんが、

  • 意識障害
  • 反応が鈍い
  • ぼんやりしている
  • 会話が成立しない

といった症状だけが現れることがあります。

診断には脳波検査が重要で、適切な抗てんかん薬によって改善することがあります。

▶ Step Up!

高齢者ではアルツハイマー病などの認知症にてんかんを合併する頻度が高いことが知られています。

そのため、原因不明の意識障害や「なんとなく反応がおかしい」と感じる高齢患者さんでは、NCSEも鑑別の一つとして考えることが重要です。

医師がNCSEを想定していないこともあり、看護師が普段との違いに気付き、報告することで診断につながり、抗てんかん薬によってADLが改善する可能性があります。

「けいれんがないから、てんかんではない」と決めつけないことが大切です。

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